???
「あざらしって髪の毛食うんだよ!」
 惚ける(ほうける)貴ボン。

「ザーラ星人だよ、それ。ザーラ星人は、生命体の髪の毛を主食としているんだ。」
 ポゴがヨッタの耳元で囁く。

「髪の毛?でもあのザーラ星人の口から出てきたのって、カツラだったぞ。」

 確かにあれはバラバラの毛、ではなく全てがまとまったカツラだった。

「たぶんあれは、一緒に頭の皮膚も、薄皮一枚はぎ取られたんだよ。」

「じゃあ“こいつ”は、貴ボンの物本の髪の毛でしかも皮膚付きってこと…」
 ヨッタはジーンズのポケットに入っているカツラをグッと握った。これはごんぞから渡されていた物だ。

「でも、そのザーラ星人もくっきーが倒して、これでザーラ星人はいなくなったんだろ。」
 言ってヨッタは、すこしだけ安堵(あんど)の表情を見せた。

「いや、それがさ…

「おいおい、ヨッタちゃん。何しゃべってんだよ。」
 ポゴと話すヨッタを不審に思い、貴ボンが言ってくる。

「いや、独り言だよ。」
 そう言って、切り返すヨッタ。

「あーあ俺のバラ色の未来が、音をたてて崩れていく。」


「ぎゃーはははははははははははは…」


 再び、闇夜をも切り裂く笑い声があがった。

「京子?!」



 それは、確かに京子の笑い声だった!
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