???
『ヨッタに賭けてみるか。』意を決したように、ごんぞが写真をビリビリと破き、灰皿に捨てた。

「捨てちゃうの?」 
 女は不思議そうにごんぞを見つめる。

「まあな。それより、酒ジャンジャン持って来い。金は幾らでも有るんだ。」

「キャー!ごんちゃん、凄ーい。気前がいい人、私だーい好き。」

 ごんぞの周りには、五人のホステスが囲んでいた。

 ここは、クラブ“オスカー”。高級クラブだ

 ごんぞはこの店で豪遊していた。

「だろう、俺様は“たった三十四人しかいない”スーパーヒーローの一人だからな。」
 ごんぞが偉そうに、ふんぞり返る

「スーパーヒーロー?ごんちゃん、面白い、超うけるんだけど。」

「がはははは、よっしやー!ピンクドンペリ、入れちゃうぞ!」
 ごんぞの熱い夜は終わらない。




「探せ!お前は、そっちだ。」
 街中では、矢島組の執拗な捜しが続いていた。

 ここは、クラブオスカーから数ブロック離れた、コインパーキング。ごんぞのハイラックスが駐車してあった。


「ブーブーブー!」
 車内に取り付けた、無線らしき装置から、緊急を告げるブザー音が響く。


「“銀河パトロール本部”より入電。“全パトロール隊員”に告ぐ、ギャラクシープリズンより、護送中のプリズナー(囚人)が何者かによって、奪還された。各パトロール隊員は厳重警備されたし。…繰り返す…」

「なお奪還されたプリズナーの名は、“ザイーテン・大銀河A級犯罪人”!」
< 56 / 218 >

この作品をシェア

pagetop