???
「ま…まあ、それはさて置き、驚きましたよ。英雄(ヒーロー)に船を沈められ、こんな民家に居るなんて。」

「そうなんでちゅよ。英雄(ヒーロー)がこの星に居るんでちゅ。」
 キャミーは鼻水を垂らして答える。

 このシメジと言う宇宙人、こいつもトラトラトラの幹部だ。頭脳明晰を誇り科学・医学を統括する男である。

「ほっほっほ、聞いてますよ。大丈夫ですよ、私が連れてきた“彼”に頼めば。」
 シメジは静かに笑う。

「誰なんちゅか、その切り札とは?」
 首を捻るキャミー

 ガチャ。その時、浴室の方から誰かが現われた。

「いやー奥さん、いい湯だったよ。」
 バスローブ姿のジャスだった。頭からタオルをかぶり、髪を乾かしている。

「ど…鈍子!誰だこの間男は、真っ昼間から、貴様!ヒー」
 鈍平は怒り、ジャスに殴りかかる。

 だがジャスはタオルで前が見えぬにも拘らず(かかわらず)、サッと避けた。鈍平は反動でこけ、床に大きな穴が開いた。

「何だこの男は、騒々しい奴だな。」
 言ってジャスはタオルを取って、目の前を直視した。

「ジ…ジャス!どうちて、貴様が?」
 ジャスの顔を認め、キャミーが叫んだ。

「ん?お前等は、…見た事あるぞ。」
 ジャスは訝しげにキャミーとトランクを眺める。

「ほぉ!お前等、銀河テロリストの奴だな!」
 そして腰を落し戦闘態勢をとった。

 キャミーはトランクの後ろに隠れた。

「ベジータダ!」
 トランクもジャスに向かって戦闘態勢を取る。
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