ワンラブ~犬系男子とツンデレ女子~
賑やかなお祭り騒ぎ。
その中でため息なんてついてるのは、多分あたしくらいしかいないんだろう。
あたしは、行き掛けに通った道沿いの階段に、腰を下ろした。
ここなら帰り道だから、遅かれ早かれワンも通るはず。
すぐにワンに電話をかける。
「………」
が、出ない。
気付かないんだ。
この騒ぎだし、当たり前だ。
そろそろ花火の時間。
きっとここからじゃ、花火は見えない。
音だけを虚しく聞くハメになるのか。
冬休み、雪山でワンと一緒に花火を見た。
あの時約束したのに。
夏も一緒にって。
あーあ。
「あれ、鮎沢ちゃん?」
???
「あ、やっぱりー!何してるの?」
声につられて顔を上げると、麗奈と高城の2人が、階段の下からあたしを見ていた。