僕等は、それを恋と呼んだ。



「あ…」


隣から聞こえた声に、思わず隣を見てしまった。


―――ドクンッ。


「…あ」


あたしと同じ様に声を漏らす。


―――何日ぶりだろう。視線が交わったのは。



「……詩乃佳、何組だった?」

「…に、2組」

「あ、一緒!俺も2組」

「そ、そうなんだ…」



うそ。同じクラスって、知ってたよ。



―――利揮。



「…三年連続だね」

「だな。よろしくな」



ニィッと利揮はあたしに笑顔を向ける。



あたしの、大好きな笑顔を。


…っ。



「じゃあ、後でな」

「うん…っ」



< 207 / 304 >

この作品をシェア

pagetop