僕等は、それを恋と呼んだ。

side ××

―side 真島―






矢田が校門に走っていくのを窓から見下ろして、俺は笑う。



…きっと、絶対に矢田はうまくいく!


うまくいってほしい。



「…頑張れよなっ」


ちょっと自分でも照れ臭い話をしたせいか、なんか変な気分だ。


「つか依知菜が待ってんだ!!!!」



そう自分で言って顔がニヤける。



ワガママで、意地っ張りで、元気で、本当は優しい依知菜。






“馬鹿な竜がいないとつまんないの”



昨日、依知菜に言われた台詞。



やっぱ“恋愛は押して引く”ってのは正しかったのかな―――…なんて。


まぁ、んなことはどーでもよくてっ!



「早く依知菜のとこ行かねぇと!」



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