僕等は、それを恋と呼んだ。



「んじゃ、帰るか」


その後、他愛もない話をしてあたし達はマックを出て歩きだした。



繋いだ手から、笈原の温もりが伝わってくる。



好き。


やっとやっと、あたしの事を見てくれた。



もう諦めなくていいんだ。

梨音ちゃんといる笈原に泣かなくていいんだ。


気持ちを抑えなくていいんだ。



堂々と、笈原が好きと言っていいんだよね?



「おーいーはーらー」

「ん?どした?」



名前を呼んだら、笑ってあたしを見下ろしてくれる笈原がいる。



あたしの隣にいるんだ。


あたしの。




「何でもなーい」

「意味分かんねぇよ、バカ」



ねぇ、笈原。


辛くて何度も諦めようとしたけどね、諦めなくて良かったって、

本当に思うよ。



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