【短編】 曇り空
ふと
視界に入る聖母マリアのステンドグラス


悲しげで
でも
優しく微笑む聖母


なぜか
俺には先生に見えた


「先生・・・

ごめん。


俺サイテーだ。


本当は先生に笑っていて欲しいんだ・・・
優しい笑顔が見たいんだ

ただ


その笑顔を俺だけに向けて欲しかった。
無理だって分かってるけど
望まずにはいられなかったんだよ・・・


だって


だって
初めて人を好きになったんだ。

一人の男として
あなたに見てもらいたかっただけなんだ。



先生・・・
ごめん。」


聖母はぼやけていく

俺は瞼を閉じた
溢れ出る液体を誰にも似せないために

色とりどりのステンドグラスの光に包まれて
俺は
落ちていく・・・

聖母は
優しくおれを見つめ続ける・・・
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