短編集
 ショーコがふと言った。
「四限のリーディング、今日どこまでだっけ」
「エリザベスの、あれの最後までじゃない? サオリ、当たってたよね」
 ヒロが答えて、私に振る。

「あ、」
 私は自分の血の気が引いていく音を聞いた。この時間に内職しようと思ってたのを思い出した。
 慌ててテキストと電子辞書を出す。
「えっと……rev…erence…」

 リナが雑誌を読み上げた。
「緑が好きな人は…一見しっかりしていそうですが、少し忘れっぽいのが難点」
 ショーコが吹き出した。
 ヒロが、私予習してあるよ、とクラッチバッグを広げる。

 私達の色で、時は進んでいく。


おわり
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