ナンセンス!

2

繁華街にある、クソでかいパーラー『 ジャンジャン・プラザ 』。
夕方になり、ハデな電飾が一層目立つ。 スロットが流行になりつつあるが、健一は、中学の時からパチンコにハマっている。 月に、七~八万は稼いでおり、ハッキリ言って、僕より経済的には裕福だ。
かすみが、キラキラ輝く魅惑のネオンを見上げながら聞いた。
「 ねえ、パチンコって、高校生もやれるの? 」
「 18歳、ってコトにしておけば、いいんじゃないのか? よく分からないケド・・・ 」
健一は、まだ17だ。 テキトーに、ごまかしてやっているのだろう。
しかし、学生服を着たまま打つとは、恐れ入った。 まあ、堂々と入店すれば、かえって
怪しまれないのかもしれない。 よく出入りして顔馴染の店ならば、多少の事は暗黙しているのかも。

数人のヤンキーが、店内から出て来た。
「 ちっ、3万もブッ込んだのに、8千円かよ・・・! 」
「 やっぱ・・ あそこで、止めときゃ良かったな 」
彼らは、何気なく僕たちの方を見ると、皆、飛びのくように一歩退き、直立不動になった。
「 ・・か、かかっ・・ かっ・・ かすみ様・・・! 」
「 そ、総長っ・・・! 」
どうやら、仙道寺の連中らしい。
僕は、かすみに耳打ちした。
「 ・・仙道寺の連中だ・・・! 挨拶しろ、かすみ・・・! 」
< 141 / 187 >

この作品をシェア

pagetop