ナンセンス!

2

「 君は、高校何年生? 」
食事があらかた終わった頃、祥一が、かすみに尋ねた。
「 高2です 」
かすみが答える。
タバコに火を付け、祥一は言った。
「 ふ~ん・・・ 彼氏、いるの? 」
「 はい 」
即答する、かすみ。
嬉しい。
僕は少々、照れた。
祥一は、煙を、ふうっと出しながら言う。
「 何の、わだかりも無く、いい年頃だね・・・ 彼氏も、高校生? 」
「 はい。 同じ、2年です 」
「 そうか。 君は、可愛いから・・ 彼氏は、やきもきしてるだろうな 」
「 そんな・・ 」
顔を赤らめる、かすみ。
恥ずかしそうに下を向いたが、やがて顔を上げ、かすみは祥一に尋ねた。
「 祥一さんは・・ 美津子先生の、どこが好きなの? 」
祥一は、しばらく考え、答えた。
「 美津子さんといると、落ち着くんだ。 仕事は、営業で忙しいし、休日だって、接待ゴルフとかあってね・・・ 」
タバコの灰を灰皿に落としながら、祥一は続ける。
「 ・・・きれいとか、可愛いとか・・・ カッコいい、スマート・・・ 全部、目に見えるコトだよね? でも、優しさとか誠実さ、正直なんてモノは、目に見えない。 目視出来るコトに惑わされてたら、いけないよ? そんなものは、いつか飽きる。 目に見えないコトを大切にしなきゃ、ダメだ。 僕が、美津子さんを好きなのは、そういう事だよ 」
う~ん、勉強になります。
健一に、聞かせてやりたいです。
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