ナンセンス!
ノー・プロブレム!

1

各授業の間にある休憩時間も、僕は、なるべく教室にいた。 一人になると、あのサバラスが出て来そうだったからだ。
昼休みに、もう一度トイレに行ったが、なるべく他の生徒たちがいそうな階下のトイレを使った。

放課後、授業が終わるとクラスメートの数人が、僕に話し掛けて来た。
「 ねえ、星川さん。 これから風紀委員の会議でしょ? 仙道寺に対抗する海南や浜二との連合の話、どうなったの? ウワサじゃ、決裂だって・・・! 」
僕、知らないの。 教えて、それ。
他の男子生徒が言った。
「 西高は、常盤に人質を取られて、ムリヤリ傘下に加えられた、って話じゃないか。 ウチは大丈夫なのかい? 」
そんなエゲツない事して勢力を伸ばしてるの? 連中は。
もう一人の女生徒が、心配そうに言った。
「 どんどん治安が悪くなっていくわ・・・! ウチは、星川さんたちの鬼龍会があったから大丈夫だったケド・・ 連合が決裂して孤立しちゃったら、ウチだけで連中に対抗出来るの? 」
う~ん・・・ 分からん。
もしかして、それを僕が、解決せにゃならんってコト? はあ~・・・ 気が重いわ・・・!
不良連中にとって、鬼龍会は目の上のタンコブ、ってわけだ。
手っ取り早い話し、そのリーダーである星野をヤッちまえ、ってコトか・・・! それで、朝倉たちは神経過敏になっているんだ・・・
とりあえず、僕は答えた。
「 心配しないで。 風紀のコたちは、みんな優秀よ? 必ず、解決策はあるわ。 私たちに任せておいて 」
女言葉は初めてだが、こんなモンだろう。
僕の返事を聞いて、彼らは少し安心した様子だった。
そこへ、あの朝倉が来た。
ブレザーを脱いだ長袖ブラウスの腕に、黒地に白文字で『 風紀 』と染め抜かれた腕章をはめている。 何か、一種独特な威圧感が感じられる。 いいね、知性と品のある人は・・・ どんなカッコしても、サマになるわ。
「 お迎えに上がりました。 部室へ参りましょう 」
< 23 / 187 >

この作品をシェア

pagetop