ナンセンス!
「 や! どもっ! 」
・・・相変わらず、唐突な登場の仕方をするな、お前。
右手を、軽やかに上げながら挨拶するサバラスに、僕は言った。
「 宇宙人も、茶を飲むのか? 」
「 今、オリオン系じゃ、これが一番、ハイブリットな嗜好品だ 」
・・・ホントかよ。
「 おうし座あたりでは、箸を使いこなせるのが、上流階級の必須条件でもある 」
それ、イギリスの社交界の話しじゃないの?
サバラスは、コトリと湯飲みを机の上に置くと、改まって言った。
「 実は、我々のコンピュータが、今回の実験失敗について、回答を出して来た・・・! 」
よしっ、来たか! ちゃんと、真面目に職務を遂行しているようだな。
「 おう。 それで、何と・・・? 」
身を乗り出し、答えを求める僕。
サバラスは、言った。
「 理解不能だと 」
「 ・・・・・ 」
答えになっとらんわ、お前。
僕は、プルプル震えながら言った。
「 お前らのコンピュータ・・・ イカれとるのと、違うか? 」
「 ナメんなよ・・・! 3ケタの掛け算が、出来るんだぞ? 」
「 そんなモン、今日日の小学生にだって出来るわっ! 」
「 ちょっと苦しいが、割り算も出来る 」
「 イバるな、アホっ! 」
「 アホ・・・? 」
サバラスは、電子手帳のようなものを出し、ナニやら検索し出した。
「 アホ、アホ・・・と・・ 日本語は、マスターしたはずなんだがな・・・ ええ~っと・・・ 」
やがて、じい~っと画面を見つめたあと、電子手帳をしまうと、改めて僕の方を見て言った。
「 怒るぞ 」
「 ・・・疲れるヤツだな 」
しかし、原因が不明では話しにならない。 僕の周りでは、着々と不穏な雰囲気が立ち込めつつあるのだ。 一刻の猶予もならない。
僕は言った。
「 もし、僕の身に何かあったら、どうしてくれんだよ! 」
「 迷わず、成仏したまえ 」
・・・そういう洒落たジョークだけ完璧に語学変換、効かせてくれんじゃねえかよ? ああ? お前、ホントにやる気あんのか?
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