ナンセンス!
単身突撃!

1

放課後。

鬼龍会部室へ行くと、マサ・隆二・朝倉・芹沢ら、幹部たちが集合していた。
マサが言った。
「 城北公園へは、自分と龍二、朝倉が同行致します。 芹沢らは、風紀委員たちと共に、各自、公園付近にて待機。 万が一の事態に備えます 」
「 ・・・万が一? 」
僕が尋ねると、龍二が答えた。
「 海南の連中の事ですから、ナニをして来るか分かりません。 果たし状は作戦で・・ 兵隊集めて、一気に我々を取る算段かもしれませんから 」
なるほど。
しかし・・・ タイマンに負けるという筋書きは、一切ないようだね、君ら。
朝倉が言った。
「 もしもの時は、涼子の指揮の元、正木たちが、全力で会頭をお守り致します。 ご安心を 」
心強いよ、朝倉ちゃん。 きっと、芹沢ちゃんや正木ちゃんも、勇猛果敢に戦ってくれるんだろうね? 事情を説明して、お袋にも来てもらおうか? ヒゲ親父と共に・・・
その時、正木が部室に駆け込んで来た。
「 大変ですッ! 会頭ッ・・! 」
朝倉が、正木に言う。
「 何だ、騒々しい! 会頭の前だぞ? 」
しばし、乱れた呼吸を正しながら、一呼吸おいて正木は言った。
「 ・・海南から、メールが届いています・・・! 」
マサが言った。
「 メールだと? 海南から? 」
「 ・・はい。 あて先は、鬼龍会 幹部へとなっています 」
パソコンから、プリントアウトしたと思われる用紙を見ながら、正木は答えた。
僕に目配せをする、龍二。
「 読め 」
僕が言うと、正木はプリントを読み出した。
「 ・・鬼龍会 幹部、ならびに星川会頭へ。 多岐学園の生徒一人を預かった。 本日の試合を楽しみにしている・・・! 」
マサの表情が変わった。
「 人質だ・・! 」
「 タイマンに勝ったら、人質を処刑するつもりだな・・・? 」
龍二も、苦虫を噛み潰したような表情を見せて言った。
朝倉も激怒する。
「 勝負に勝てないと見て、人質を取るなんて・・・ 最低だわっ! 」
・・・ヤバイ。
それって、海南の連中に勝っちゃ、イカンってコト?
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