ナンセンス!

2

やがて、朝倉に案内され、星野がやって来た。
「 美智子・・ 悪いが、席を外してくれ 」
「 かしこまりました 」
一礼して、部屋を出て行く朝倉。
星野が言った。
「 どうした? 顔が、赤いぞ? お前 」
イスに、どっかと座り、ため息を尽きながら、僕は言った。
「 ・・・なあ、星野。 お前、誰か好きな人、いるか? 」
「 はあ~? 何、言ってんだ? 藪から棒に 」
パイプイスに座りながら、星野が聞く。
「 因幡付属の、戸村って子・・・ どんな関係なんだ? 」
たちまち星野は、顔を赤らめた。
「 ・・・き、来たのかっ? 」
「 ああ。 海南と決闘した日だ。 モーレツに、アタックされたよ。 きれいな子だな 」
「 お、お前・・ お前、まさか・・・ ヘンな事、してないだろうなッ? 」
「 ・・・しそうだったけど・・ 」
「 したのかッ・・? したんだろうっ・・!! 」
「 勝手にさせんなっ! 何にもしてないよ。 おでこに、チュッて、しただけだ。 雰囲気的に、その程度なんだろ? あの子とは 」
「 ・・・ホントに、そうだな? 何にも、してないんだな・・・? 」
「 くどい! 誓って、ナンにもしていないよ。 オレを信じろ! 」
・・・さっきは、理性が、火星までフッ飛んで行ったがな・・・
星野は、まだ疑い深げに僕を見ている。
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