ナンセンス!

2

「 どうすんだよ、星野! オレ、矢島となんか、対決出来ないぞ・・・! 」
巨頭会談が終わった後、再び、執務室に星野と二人だけになった僕は、言った。
星野は、ニヤニヤしている。
「 お前、その髪型、イイじゃないか。 ブローしてるのか? 男にしては、センス良いな 」
「 カンケーない話し、すんな! 自分で、自分の容姿を、誉めてどうすんだ。 危機なんだぞっ? もうち~と、心配せんか! 」
星野は、パイプイスに座りながら答えた。
「 あたしも、どうしたら良いのか、具体的には分からない。 ただ、お前にはイザとなった時、驚くべき行動と洞察力がある。 ソコに期待してるよ 」
「 ・・・随分、楽観的なんだな。 ヘタすりゃ、ボロ負けするかもしれないんだぞ? ソッチの方が、はるかに確立は高いがな 」
「 そうなったら、そうなった時だ。 まあ、マサや涼子たちもいるんだ。 そうそうヘタは打たないだろう・・・ 」
確かに・・ 今更、格闘技術を伝授されても、所詮、付け焼刃だ。 大体、机上のレクチャーに、結果が付いて来る事を期待する方に無理がある。 星野の、アドバイス通りかもしれない。 出た所勝負だ。
・・・でも、凄っげえ~不安・・・!
星野は言った。
「 イザとなったら、マサが助けてくれる。 心配するな! 」
助けてくれなかったら、どうなるの? 姉御、お楽しみ下さい、とか言って、高見の見物するとかさあ・・・!
僕の心配はよそに、星野は、腕組みをしながら言った。
「 あたし、何か最近・・・ お前が好きになったよ 」
「 はあ・・? ナニ言ってんだよ、星野 」
「 ヘンな意味に、取るなよ? あたしは、男として、お前を評価してるんだ。 海南の時の話しを聞いて、思ったんだ・・・ 普通、いくら彼女を拉致されたからと言って、後先考えず、あそこまで無茶するヤツは、そうはいない。 しかも、イザとなった時のお前は別人のようだな。 その点を評価してるのさ。 男は、純情な方がいい。 不器用でもな 」
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