治験
あの薬を飲んで発症したのは、全身の痒みだけではない。

「見ろよこれ」

俺がシャツの袖をまくって遠藤さんに見せ付ける。

「っ……!」

彼女が息を飲む。

「腕だけじゃない。全身だぜ?」

マスクの下で、俺は自嘲する。

…袖をまくった腕は、皮膚が赤黒く変色していた。

治りかけの火傷のようにジュクジュクと爛れた皮膚。

その爛れに混じって疱瘡のような、水ぶくれのようなものが全身に出て、掻き毟るとそれが破れ、膿のようなものが溢れ出し、それがまた痒みを誘った。

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