治験
よく冷房の効いた来客室で僅かな時間待たされる。

日差しの程よく差し込む大きな窓。

硬すぎず柔らかすぎず、座り心地のいいソファを堪能していると。

「お待たせ致しました」

遠藤さんがよく冷えたアイスコーヒーを盆に載せて戻ってきた。

丁寧に俺の前にグラスを置き、彼女は俺と差し向かいにソファに座る。

「では早速ですが、村上様にお願い致しますアルバイトについてご説明したいと思います」

彼女は一枚の書類をボールペンでなぞりながら、わかりやすく俺に説明を始めた。

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