鬼守の巫女

「俺が話せるのはここまでだ。後は知らん。……勝手にしろ」

眞水さんはそれだけ言うと、眞水家のビルへと向かって歩いて行ってしまう。

「ま、待てよ!!お前も一緒に……」

「言っただろ……捺。俺は……行けない」

火伏さんの声に彼は歩く足を止めると、そのまま背を向けたまま答える。

「馨の為か?」

火伏さんのその問いに、眞水さんは答えない。
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