鬼守の巫女

「確かにここは死角かもしれないですね。彼等は次に狙われる土室、小金井の本堂の守りを固めているはず。石も揃わないまま、皇楼に僕らが向かう理由はありませんからね。この辺りの守りは薄い筈です」

木住野さんがそう言って笑うと、彼の肩に乗ったままの黄色い猫がピョンと地面に飛び降りる。

猫はそのまま私に向かってトコトコと歩いてくると、階段に座る私の膝の上にピョンと飛び乗った。
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