鬼守の巫女
第五十章  祭壇の聲

「居たぞ!!あそこだ!!」

その叫びと共に慌ただしい足音が、目の前の道を通り過ぎて行った。

「……よし、行ったな」

火伏さんはそう言って私達に手招きをする。

隠れていた物陰から彼の元へと小走りで近付くと、そのまま気配を殺しながら薄暗い道を抜けた。

そっと空を見上げると空には薄い雲に覆われた月が見える。
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