鬼守の巫女
「いたたた……って、オイ!!」
痛む背中に眉を顰め、横たわる私の体にすり寄る犬に非難の視線を送る。
二匹の犬は嬉しそうにブンブンと尻尾を振り、私にスリスリと体をすり寄せた。
それにしてもこの犬……デカイ。
ゴールデンレトリバー何かよりも遥かに大きく、ヘタしたら小振りのポニーに見えない事もない。
何とか体を起こし立ち上がると、犬達はちょこんとその場に座り、クリっとした円らな瞳で私を見つめた。