恋の旋律



次の日。



キーンコーンカーンコーン……



学校開始のチャイムが鳴っても由菜は学校に来ていなかった。


出席を取るとき…


「田渕!
…あれ?田渕?居ないのか?おい、誰か田渕知らないか?」


(先生も知らないのかよ…)


朝は一緒に行かないからわからない。


「高梨!何か知らないか?」


「いやいくら彼女だからって全てを知ってる訳じゃないんで…ι」


「なぁんだまだ体のかっ…いてっ!」


雅也←(久しぶりの登場なのに変態キャラにι)の言いかけを先生が叩いて止めた。


「朝からんなこと言うな!」



アハハハッと笑いが起きるが俺は心配だった。


その時。



「ヤダッ田渕さん大丈夫?」


廊下を巡回していた先生の悲鳴に近い声でクラスは静かになった。


「…はい荷物…置いて保健室…行きま…すから」


明らかに田渕は弱っている。



ガラガラッとドアが開いた瞬間悲鳴が巻き起こった。


なぜなら…。


「…知り合いにちょっとナイフで切り付けられちゃって…保健室行ってきます」


田渕は顔に数箇所の切り傷。その切り傷からは血が出ていた。


腕が1番酷い傷なのか手で抑えていた。


でもその手の間から血が滴り落ちていた。



「分かった…高梨、着いていってあげて」


「はい」



田渕の肩を支えて保健室へ向かった。




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