白黒プリンスと囚われのメイドさま

 夕食後、広間で蓮さまがじきじきに私にダンスの特訓。

 「……!!?」

 やはり…噛み合わず…私は蓮さまの足を何度も踏んだ。

 「すいません…蓮さま」

 「……もう少し…ゆっくり…ステップを踏もう」


 蓮さまはスローで私をエスコートを始める。


 触れ合う体は私を優しく包む。

 「もう少し早くても大丈夫です」

 「少し…早くしよう~」

 蓮さまは少しだけ…スピードを上げる。

 流れるような…優雅なステップ。

 私たちは舞踏会でダンスする王子様と姫様。


 広間を無尽に動き回る。


 蓮さまの方が急にステップを止める。


 「…もう一度…聞く…俺と結婚してくれるか?」

 「!?」

 
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