夜空に咲く僕たちの願い
「あれ?言わなかったっけ?最初は嫌だったけどもう慣れたよ。案外自分の女装姿可愛かったしね」
そう言ってプチトマトを美味しそうに口に運ぶ翔太。
俺は口をぽかんと開けてそれを見ていた。
やっぱり翔太は一般人とはちょっとずれているな。
「今度女装した翔ちゃんの写真持ってきてよ!満里奈見たいな!」
「あっ瑠花も見たい!!」
「いいよ、持ってくるね。きっと君たちより可愛いよ…なんてね。俊介くんは見たい?」
何で俺に振るんだよ。
しかも何だよその質問。
何て答えればいいんですか?
「なんか異次元っぽくて考えられねぇ。お姉さんの趣味すごいね。俺は何て言うか…それ見せられたら困るかも…」
苦笑いをしてココアを飲み干す。
その話の最中、渓斗は一言も言葉を発しなかった。
フェンスにもたれ掛かり、ずっと空を見ていた。
なぁ、この時渓斗は何を考えていたの?
どうやって姿を消そうか…考えていたの?