夜空に咲く僕たちの願い


なんで…瑠花がいるんだよ。
もしかしてさっきの会話聞いたかな?
聞こえたよな…
だからきっと声をかけたんだ。


「瑠花…」



「そこどいて。通れないじゃない。」




そう言って俺の横を通りすぎるとき瑠花はカバンで体を叩いてきた。




「痛いって…」




「さっさと返事したら?満里奈が可哀想でしょ。満里奈もあたしに黙ってないで俊介のこと好きだって言ってくれても良かったじゃない。そしたら協力してあげたのに」




瑠花の言葉ひとつひとつに棘があるようだった。
満里奈は小さく体を縮ませて「うん」と頷いた。
そして瑠花は聞こえるようにため息をひとつ。



「あなたたちとてもお似合いよ?」




最後は捨てセリフ。
こういうシーン、ドラマで見た気がする。
あぁ、そういうことか。
これは再現VTRか。
って何のだよ…ついに頭おかしくなったのかも。



颯爽と歩いていく瑠花の後ろ姿からどうしても目が離せなかった。




< 165 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop