夜空に咲く僕たちの願い


自分の体温が一気に下がる。
さっきまで暖かかったのに今じゃ肌寒い。
陽気な春だからと言ってコンクリートに囲まれた壁の空間はひんやりとする。



「さ…むい」



俺は今日から高校生となる。
月日が流れるのは早くて、あの天体観測から4年が経過していた。
あの願いを託した星はまだ流れていない。
それもそうか、俺たちはまだ結婚出来る歳ではないのだから。


布団を母さんから取り上げもう一度被った。



「早くしないと渓ちゃんママが呼びに来るよ!俊介の仕事なんだから!」



溜め息を聞こえるように漏らし、母さんは部屋から出ていった。

いつまでも続くんだよ。
俺はいつになったらゆっくり寝れるわけ。



母さんが言った“仕事”とはもうすぐ始まる。
渓斗の母親が呼びに来たら出動開始。


それまでに俺は着替えと朝食を済ませなくちゃならない。


着替えと朝食は5分で出来る。
でも今日は待ちに待った入学式。


念入りに身だしなみを整えなきゃ。




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