姫様にkiss
姫様にkiss



あれから月日は経ち、一年が経った。



季節はすっかり秋で、ちょっと肌寒いです。



あたしはあの日以来、泣かなくなりました。



あたしには心配してくれる友達や、家族がいるから。



毎日を笑顔で過ごしています。



でもね?



雨が降ると、嫌でも貴方のことを思い出してしまいます。



そして、貴方と出会った、あの公園へ向かうの。



いない貴方の影を探して……










「優姫。ちょっと来て〜」
「はーい。」



階段を降りるとお母さんが、少し複雑そうな表情をしてソファーに座っていた。



俯いている目線の先には、白いカードが置かれていた。






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