短編■ ほっぺ ぺけ
おべんとう


『おかあさん
 ふーのおべんと

 かわいくして』


ある日 ふーは言いました。

ちょっと背のひくい ふーは5さいの幼稚園児です。

くりくりとした目はリスが大好きなドングリみたいで、

よく大人たちに『かわいい』と、褒められます。


そのたびに、ふーのくちびるはお月様みたいになりましたし、

ふーのからだの中はぽかぽかしました。



どうしたのかな
ふーは思いました。

お母さんが困った顔をしていたからです。


けれども、ふーは言いました。


< 1 / 39 >

この作品をシェア

pagetop