トナリの王子サマ
嫌…あなたが私を好きでも、私はあなたを好きじゃない。

本当に心が通じ合っている人とじゃないと、キスしたくない!



足をバタバタさせて、必死の抵抗を試みる。

けれども、男の人の力にかなうわけがない。



もう、唇が奪われそうになっていた。

やだっ…私の…


ファーストキスがぁっ…!!



ピタッと彼の動きが止まる。

不思議に思い、目を開くと…


「…陽?」

見たこともないような怖い顔で、陽が立っていた。

そして、陽の拳が一稀の首の真後ろにあった。


「…」

「それ以上…近づくな」

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