ラッパ吹きとあたし
雪の街



そこは白い世界



広く広く、
どこまでも続く白い道。

冷たい風は静かな木々の間を通り抜け、
人々にこの地の寒さを与える。



そんな白のなか、
一台の緑の車が目立っていた。





「お父さん。車、全然進んでないけど」


「いや悠梨、外をよーく見てみろ。」


「……」



まず雪で見えないし。



すると、あたしの代わりに助手席に座っていたお母さんが答えてくれた。


「もうパパっ。雪がひどいから外なんて見えないわよ!」


「あっ…。流石ママだな!」


「パパったら…ふふふ」




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