誘拐 ―おまえに決めた―
12章 崖

走り続けて森を抜けると、そこには絶望があった。




崖、だ。



切り立った絶壁。



「降りて」

私はリクの背中から地上に足をつけた。



昔の二時間ドラマに使われそうな、恐怖満点の崖は私の足を否応なしに震わせる。




見下ろすと、夜の暗い水は全てを飲みこみそうに見える。

川なのか、海なのか。


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