天国への階段 ―いじめ―




長い間、考え事をしているうちに、まりあへの返答を忘れていた。



まりあは、俯いている私を、考え事をしていると気づいてくれていたようだ。




ふと、顔を上げた。




「……」
 



口を開いたものの、言葉が出てこない。
 



言いたい言葉は、伝えたい言葉はあった。
けれど、うまく言葉にならない。
 



ただ、ギュッと貰ったキーホルダーを握りしめた。




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