天国への階段 ―いじめ―




「よくあることだからそんなに心配しなくて平気。
あと少しで退院するって」



「……そうなんだ」



しばらく、沈黙が続いた。
その後、木村さんが口を開いた。




「……最近、まりあがさ、ぽつ、ぽつ……って、あなたのこと話すの。
あの子、滅多に友達つくらないから……あなたのこと、きっとすごく気に入っているのよ」




私は少し俯いた。
照れて、頬が火照っていくのが自分でもわかった。



胸の奥で何かが眩しくきらめく。






< 222 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop