天国への階段 ―いじめ―



――今でも残っている。
あの時に撮ったプリクラが。
 


二人、抱き合っていて、“だいすき”というスタンプと“ずーっとトモダチ”というラクガキがしてある。



捨てようか迷った。
他のプリクラは捨てたけれど、ひとつだけ、ひとつだけとってある。
 


机のひきだしの奥に入ってしまったのを知っていて、それを理由にそのままにしておいたものだ。





それも、
帰ったら捨てよう。
 


泣かないと思っていたはずなのに、不覚にも涙が頬を伝った。
 



悲しくて――虚しいと思った。





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