天国への階段 ―いじめ―



「ケンカ、する?」


 
自分のいじめのことを思った。
かけ離れている問いだということは、わかっている。



「するよ、もちろん。
でも、本気のケンカはあんまりしない。
ほら、ふざけのケンカとか、じゃれているケンカとか、いろいろあるでしょ?
……私たちは、相手が、何を言ったら傷つくかとか怒るのかとか、もうなんとなくわかるから――」
 


目を伏せた。
ハッキリと、世界が違うということを感じた。
自分の置かれている世界と、相島さんの置かれている世界は違う。



当たり前だけど、そうハッキリ思った。
なんでなんだろう。なんで私だったんだろう――と、また強く思った。


何度も何度も思う。思い続ける。


私のどこがいけなかったのかな――って…。







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