S的?遊園地
「結局『さん』付けか?」

その言葉に、ワザとらしくため息を付く。

「嫌ですか?」

私は、探る様に尋ねる。
すると慎さんは自分の胸に、私の頭を引き寄せた。

「嫌では無い。」

慎さんの香水なのか、とても良い匂いがする。
何だか幸せな香りだ。

「お前のバイトの動機は、遊ぶ金欲しさじゃ無かったよな?仕事への姿勢も真面目だし。」

急に語り始めた慎さん。
そんな風に思っていてくれたと思うと、素直に嬉しかった。
私は、静かに耳を傾けた。

「だが俺に立てつくし、無駄にヤキモチ妬かせるし。何だお前は。」

折角褒めてくれたと思ったのに...。
私は、反論しようと顔を上げた。
と、同時に唇を塞がれる。

「言い訳無用。」

そう呟くと、唇から首筋へとキスが移動していく。
ゾクゾクする感覚に襲われる。

「言っておくが、俺は独占欲が強いし、我が儘だぞ?」

(知ってます。そして、口が悪いです。)
私は心の中でそう思ったが、現実には頷くのがやっとだった。
ボーッとする頭で慎さんを見つめる。

「覚悟しとけよ?可奈子。」

名前を呼ばれ、ドクリと心臓が鼓動を打つ。
顎を掴まれ、キスをされる。
これまでと違う、二人の気持ちを確かめる様な深いキス。

始まったばかりの二人の関係...。

何が起こるのか想像出来ない。
と言うよりも、今この甘い時間に何も考える事が出来なかった。

「可奈子。」

長いキスから開放されると、慎さんが熱っぽく私を見つめた。

「誰にも渡さねえ。」




< 61 / 61 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:5

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

いつか君を忘れるまで

総文字数/16,604

恋愛(その他)55ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
澤口良平は、一人暮らしをしている22歳。フリーター。 彼女はいない、と言うか作らないけど、来る者は拒まない。 社員にならないかと誘われても、責任が生じるのが嫌だと言って断る。 フリーターだけど、そこそこの貯金はある。 と言う、天邪鬼。 彼に、幸せは訪れるのか? ※ご覧頂きありがとうございます。 H23.10.25執筆を開始致します。 ワタクシ、非常に筆が遅いですが、完結までお付き合い頂ければ幸いです。 靜村あんず
S的?彼氏の思うコト ~平畠 慎太郎side story~

総文字数/27,164

恋愛(その他)47ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
「俺が、訳も無くあんな行動すると思うか?」 めでたく付き合う事になった平畠慎太郎と安浦可奈子。 でも...何を考えているか分からない彼。 これは慎太郎が可奈子と出会い、過去を巡り、想うお話。 ※「S的?遊園地」のサイドストーリーです。 このお話単体でもお読みいただけますが、本編「S的?遊園地」をご覧頂くと、更に人物像が分かり易いかと思います。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop