19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆

 藤堂に余計な心配をされている沙耶香は、山の中を歩きながら大きなクシャミを一つした。


「大丈夫か?」


 沙耶香の前を歩く冬我が振り返る。


「大丈夫です」


 そう返事をしてから、軽く身震いをする。


 寒くもないのに鳥肌が立つ。


 それが藤堂のせいだとはつゆ知らず、警戒するように周囲を見回した。

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