19の夏~私の愛した殺人鬼~
そこには、生前の戸部奈々子と飯田昌代の姿を、確かにとらえていた。
雨の中、しきりに何かを指差している。
なんだ……? 俺に何を伝えたい?
その指先の方向へと、左手の目を移動させる。
しかし、ここからでは視角になっていて何も見えない。
「ついて来てくれ」
ネコは冬我にそう言うと、車を下りた。
冬我は、慌ててネコの頭上に傘を差し出す。
自分は少しぬれてしまうが、この際気にしている暇はない。