心の友と書く『心友』がいますか?



持っていたカゴを足元に置くと、大きな手を目の前に差し出して、催促するかのように少し上下に振っていた。



って、何で企みがバレたんだ?



「真琴も潤も分かりやすいの」



早くと急かすノノちゃんに私は反論する事が出来ず、ポケットに入れていた紙をおずおずと差し出した。



「ふ〜ん。なるほどね」



ノノちゃんは紙を見て一言呟くと、元通りに折って私の掌に乗せた。



ホントなら頑張れって応援したいんだけど、今の私にはその言葉が出なくて。



「俺、手伝うのやめたから」



じゃあ、ちゃんとバレないように動くんだよと言って、ノノちゃんは手を振ってグランドに戻って行った。


ノノちゃん・・・私はあんたのお尻から悪魔の尻尾が見えたのは気のせいかい?


ってか・・・何でそんなにお見通しなの?





『佐藤真琴ぉぉぉ〜早く戻ってこいぃぃぃ』



学校中に響き渡るマイク越しの潤の声で我に返った私は


あわててノノちゃんが置いていったカゴを持ち上げると倉庫へ全速力で走っていた。





潤!マイクで叫ぶな!恥ずかしい!!





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