一途なカラダ。
「こんにちは、若菜ちゃん。」

「……………。」

「若菜!挨拶も出来ないの?
すみません、礼儀知らずな娘でして…。」

「いえ、大丈夫です。
知らない人間が自分の名前を知っていたら、驚くものですよ。」

「まぁ。すみません。」

ち、ちょっと待って!

なんでお母さんはこんなに親しそうなの!?

一体どういう関係!?

「あの、どなたですか。
母とはどのようなご関係で…?」

「え?」

「ちょっと、何言ってるの?
あなたの先生よ、先生。
家庭教師の小早川先生!」

あ、なんだ。

家庭教師の先生か。

って、は?

「はい?」

「はぁ。来週からお世話になる先生よ。
今日は挨拶にいらして下さったの。」

「初めまして。
小早川 裕樹-こばやかわ ひろき-です。
来週から君の家庭教師をする事になりました。
どうぞよろしく。」

そう言って差し出された右手。

その手を握りながら返事をした。

「……よろしく、お願いします。」
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