一途なカラダ。
シャッ、シャッ、シャッ、パラ

赤ペンが擦れる音と、解答をめくるペーパーノイズの音。

さっきとはまた違う音に満たされる。

「終わりました。」

ここまでの範囲は全くの基礎。

とりあえず全問正解する事が出来た。

「へぇ、頑張ったね。
……………………。
13問全部正解だ。
じゃあ、13回…か。」

そのセリフの終わりに家庭教師の口角が少し上がったのを、あたしは見たんだ。

「あの、何がじゅうさっんんっ。」

あたしの質問は家庭教師のキスによって阻まれてしまった。


突然の出来事に戸惑ったあたしは、息をする事を忘れていた。

唇が離れた瞬間呼吸が荒れる。

「ぷはっ。はぁ、はぁ。」

「まさか息してなかったの?」

「……………。」

そのまさかですよ。

だったら何なの。

「ははっ。まさか初めて?
なわけないか。
嫉妬深い彼氏がいるくらいだもんね。」

こいつの言動はあたしをいちいち不快な気分にさせる。
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