【続】幼なじみは俺様王子。
「……なんだよ」
少し不機嫌な表情を浮かべる楓が怪訝な目であたしを見つめる。
「いや。なんか楓、可愛いなあって思って」
「可愛い? 俺が?」
「うん。だって学校では王子なんて呼ばれてるくせに、花に水あげしてるんだよ?」
「しかもキラキラした目で」とあたしが付け足すと、楓はため息をついた。
「お前なぁ……」
そう呟くと同時に真っ正面から水が飛んできた。
「冷たっ……、ちょっと!」
「俺のこと笑った仕返し。こんなもんじゃ許さねぇよ?」
そう言ってあたしにホースを向ける楓。
「ひゃっ! ちょっとやめってば!」
手に持っていた鞄で防御するも、全く効果ナシ。
もぉおおお!
ちょっと笑っただけなのに、こんな仕返しないよっ!
あたしは楓からホースを力一杯奪い取った。
「やった! 立場逆転~♪」
「おい! やめろ……っ」
ホースから水を出して、楓めがけて勢いよく飛ばす。