【続】幼なじみは俺様王子。
『ちょっとっ、困ります! 相沢さんの登場は投票の後ですので控え室に戻って下さい!』
司会者が焦ったように楓に向けてそう言う。
そう。楓がここに来てくれたのは嬉しいけど、今来ちゃっていいのかな……?
だけど楓は司会者には見向きもせずに、あたしを見つめたまま。
「おい、穂香」
「……へっ?」
突然名前を呼ばれて拍子抜けした。
さっきまでの優しい笑顔とは、まるで別人のような不敵な笑みを浮かべる楓。
「迎えに来たって言ったろ? 早くこっち来いよ」
そう言ってあたしに手招きする。
そ、そんなこと言われても……。
思考回路が見事に停止して、足が上手く動かない。
ーー『俺を信じろ』
そんな時、楓の言葉が頭をよぎった。
楓を信じる。
あたしが誓ったこと。
そんなあたしがとるべき行動は?
「来るのか、来ねぇのか。 どっちだよ?」
………そんなの決まってる。
自分の中で揺るぎない答えが決まった時、すくんでいた足が一瞬にして軽くなった。
あたしは……