【続】幼なじみは俺様王子。
愛チャン……。
愛チャンは、楓のことが好きなんだよね……。
なのに、なんでそんな平気なふり出来るのよ……。
もしかして、あたしのため……?
あたしが困らないように愛チャンは自分の気持ちを押し殺しているの……?
そう思うと胸がギュッと押し付けられて、悲しい気持ちでいっぱいになった。
あたし、どうしたらいいんだろう……。
不意に、歩くテンポが遅くなる。
「ほら、穂香。なにボーッとしてるのよ? 早く行くわよ」
隣にあたしがいなかったことに気づいたあーちゃんが、振り返ってそう言った。
「……あ、うんっ! 今行く!」
あたしは作り笑いをして頷いた。
せっかくの楽しい修学旅行を、あたしのセイで台無しにしたくない。
せめて、2人の前では、笑顔でいなきゃ。
あたしは、雨雲のような心のモヤモヤを胸の奥にしまい込んだ。