僕等の透明な夏
▼次の前触れ


「キャッチボールしよ!」

『…え?』

振り返ると、小学生くらいの男の子がいた。

野球のユニフォームを着て、ボールとグローブを2つ持っている。

帽子を深く被っていて顔がよく見えない。


「小夏のグローブはこれ!」

『どうしてあたしの名前…』

男の子はあたしにグローブを渡すと、にっと笑って走っていった。

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