♂GAME♀

メリーゴーランドなんて子供の乗り物だと思ってた。

だけど、これが意外に楽しくて驚いた。
おまけに二階建てだから、景色も楽しめたし。

頬に当たる風も冷たくて気持ちいい。

『意外に楽しめたな』

輝も満足そうだしね。


『さて、サクサクっとクリアしちゃいますか!』

そう言って、輝はパンフレットとヒントの紙を開いた。

簡単そうなものから攻略していこうと話し合い、とりあえず残り4つのうちの3つは解けた。

ジェットコースター。
お化け屋敷。

あとは、スペースシャトル。
どうやら、スペースシャトルの形をしたバイキングらしい。

しかも、何回も回転してる……

『ま、適当に遊びながら乗っていこうよ』

輝はパンフレットをしまうと、代わりに私の手を取って、自分の腕に通した。

何だか、本当に恋人同士みたい。
……って、恋人同士なんだけどさ。


『俺さぁ、一回だけ遊園地行った事ある』
『え?』
『……家族で』

輝は、足を止めた。
そして、大きな観覧車を見つめ笑みを零した。

『でも幼すぎて、何に乗ったかとかも覚えてないんだ』

それはまだ、輝が施設に預けられる前なんだろう。

まだお母さんが生きていて、お父さんが……

あれ?
中林さんって輝を産む事を反対してたんだよね?

それなのに、遊園地なんか連れて行くかな……

『ね、ねぇ! その時、お父さんはいたの?』

もしかしたら、お母さんと、あのお祖母さんかも。

『いたよ。 曖昧な記憶だけど、ずっと手を繋いでたのは間違いなく男の手だった』

間違いなく……か。
輝は、それがお父さんだと自信があるんだ。

でもそれが本当に中林さんだとしたら、色んな人に噂が回る度に、少しずつ話が違ってきてるのかも知れない……
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