♂GAME♀
『凄いな……』
物陰に隠れながら外の様子を伺うと、入口に群がる沢山の人が見えた。
『あの人達は皆、輝を撮りにきたんだよね?』
あまりの数に、眩暈(メマイ)がしそうだ。
『中林の次期社長になるかも知れないんだ。 皆必死だよ』
咲耶は呆れたように言いながら、パーカーに腕を通し羽織った。
『次期社長……?』
『中林社長は独り身だしね。 血の繋がった人間は輝だけになる』
『そ、そっか……』
『ま、認知されてないんだから微妙な所だけどね』
何だか難しいけど……
つまり跡取りが輝しかいないって事なんだよね?
社長……かぁ。
輝は、どう思ってるんだろう。
『そんな事より、脱出する方が先だろ』
と、私達の会話を遮るよう輝が言った。
『そうだな。 いい方法を考えてきたんだ』
え?
ちゃんと作戦があるって事?
『ま、見ててよ』
もったいつけながら、さっき着たパーカーのフードを被り、同時に私の肩を強く抱いた。
『綾香。 突っ込むよ』
『へ?』
『輝を逃がしたいなら、死ぬ気で走るんだ』
ど、どういう事!?
『ほら行くよ!』
まだ頭の中の整理も出来てないのに、引っ張られるように走らされる。
フロントを通過し、玄関へ。
そして、集まった報道陣に掴まれないように外へ……
『出てきたぞ!! あれに間違いない!』
誰が一人の言葉を皮切りに、報道陣は私達に狙いを定め、追ってくる。
まさか、まさか!?
『ちょ、咲耶!? これってッ』
『そう。 囮(オトリ)ってやつ』
やっぱり、その作戦で来たかぁ~!!