♂GAME♀
とりあえず散らばった本や服は、丸めてクローゼットに。

メイクは諦めて、髪だけはクシでとかしておく。

『ごめんね、ちょっと風邪っぽくて…… 寝てたんだ』

後はこう言えば完璧だよ!

『あー、悪い。 ベッドにいていいよ』

あれ?
何だか優しい。

『ううん、平気……』

調子狂うじゃん。
嘘ついてる私が悪いみたい。

『この間……悪かったな』
『へ?』
『俺が一方的に怒ってたからさ』

……智志が謝ってる。
こんな事って滅多にないよ。

どうしちゃったんだろう……

『あのさ、マジでキャバ嬢とかないから…… 安心して』
『ん……』

言いたい事はいっぱいあったけど、智志がホッとしたように笑うから、何だかどうでも良くなった。

私は知らず知らず、智志を不安にさせてたのかな。

よく考えたら、輝と会う事もあまり良くないよね。

こうした事で、智志が離れていったのかも知れないなぁ……なんて。

だとしたら、一刻も早くゲームを終わらせなきゃならない。

終わりなんか、全然見えないけど……

『ねぇ、智志。 聞きたい事があるんだけど』
『聞きたい事?』
『輝……いや、隣の出張ホストの事なんだけどね?』

目を丸くして私を見る智志に、私は続けた。

『どうしても、あの人の名前が必要なの。 智志が知ってる事、何でもいいから教えて……?』

初めに輝がBitterにいる事を言い出したのは智志だ。
少なくとも私よりは、智志のが輝に詳しいはず。

『どんな小さな噂でもいいの。 お願い……』

こうゆうのを、藁(ワラ)にも縋(スガ)りたいって言うのかな……
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