ボクは誰?

電話

家に着く頃には、

ボクの洋服は乾いていた。


「ただいま。」


「あら、おかえり。そういえば有希に電話があったわよ。」


家の電話にかけてくるってことは、

ボクの携番を知らない人だ。


「誰?」


「確か…有賀さんっていったかしら?」


思い当たらない。


「知らない。」


「そう。じゃあ、セールスかしら?」


お母さんの声を聞き流して、

ボクは部屋に入った。


バタッ!


ベッドに倒れこむ。

今日は楽しかった。

雅史と晃には感謝だな。

でも、

史佳の顔がちらついて、

頭から離れてくれない。

ボクはもう、

封印したはずだったのに。


気分転換しようと思って、

ボクはコンポのスイッチを入れた。




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